人は生きていく上で様々な困難に遭遇し、それを乗り越えていくことで成長していくものです。ですが、その困難さが強過ぎて圧倒されるとき、私たちの心身は悲鳴をあげてしまいます。それが症状や問題行動という形で表現される場合もあります。とりわけ言葉で自分自身をうまく表現できない子どもの場合はそうでしょう。また、大人であっても、心の中の「子ども部分」が悲鳴をあげて助けを求めることになる場合もあるでしょう。
私の専門は精神分析的心理療法ですが、実践する中で、その言葉にはならない、表現して他者に伝えることが難しい心の世界を探求してきました。精神分析の諸理論は、不確かな心を理解していく道筋を示してくれています。しかし、誰一人同じ人はいません。同じ心も存在しません。理論ですべてが分かるわけではありません。人を理解するには、自分と他者が出会うときに生じる自らの心の動きを手がかりにして考えていく必要があります。
支援や援助の関係性は、自己理解と他者理解の振幅の中で常に検討される必要があるでしょう。まずは、自分にとって関心があるところから、自己探求をはじめていきましょう。臨床心理学や精神分析の領域では、学問的探求と自己探求が交差していくところで学びが深まっていくものだと私は考えています。









