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授業情報/Course information

科目一覧へ戻る 2026/03/18 現在

科目名/Course title 児童文学・フランスB/Children's Literature: France (B) (Lecture)
担当教員(所属)/Instructor 伊藤 敬佑 (人間総合学部児童文化学科)
授業科目区分/Category 児童文化学科専門科目 
授業形態/Type of class 講義
開講期/Semester 2026年度/Academic Year  後期/AUTUMN
開講曜限/Class period 火/TUE 2
対象所属/Eligible Faculty 人間総合学部児童文化学科/Faculty of Human Studies Department of Children's Culture,人間総合学部発達心理学科/Faculty of Human Studies Department of Developmental Psychology,人間総合学部初等教育学科/Faculty of Human Studies Department of Child Care and Primary Education
対象学年/Eligible grade 1年 , 2年 , 3年 , 4年
単位数/Credits 2
副題
/SubTitle
フランス絵本を通じた「子どもの哲学p4c」実践
—〈感情〉について話し合う—
授業のねらいと達成目標
/Course Objectives
【前提】
 「子どもの哲学:philosophy for children」とは、1970年代にアメリカで生まれ、近年日本でも広く関心を持たれ、小中高で実践されている哲学的対話の方法です。「子どもの」とは言われていますが、子どもだけでなく大学生や大人にとっても、考えを深める契機となる、意味のある活動として実践されています。
 フランスでも、1990年代に持ち込まれてから様々な形で実践をされ、2010年には幼稚園で実際に行われた哲学対話に密着したドキュメンタリー映画『ちいさな哲学者たち』も公開されました。特に、2002年に小学校で絵本・児童文学が教材として導入されて以降、絵本を深く読みながら哲学的なテーマを議論するという、「絵本を用いた子どもの哲学実践」が広がりつつあります。

【授業の狙いと達成目標】
 この授業は、そのようにフランスの小学校で行われている「絵本を用いた子どもの哲学実践」について、座学として学ぶのではなく、実際に学生同士で哲学対話を行ってみようという授業です。講師は、テーマや絵本作品を選択して提示し、みなさんが議論の海で迷わないように指針を示しはしますが、意見の当否を述べたり、結論を出すようなことはしません。みなさん自身が主役となり、身の回りに潜んでいる問いに対し、絵本を手がかりにして、対話しながら自分の考えを深めていくことを目指します。
 そしてその過程で、個別の問いに対して議論し考えを深めながら、「問いを立て、その問いについて考えを深める力」も同時に身につけることを目指します。参考書に挙げた『「自分の意見」ってどうつくるの?哲学講師が教える超ロジカル思考術』など、近年フランスの哲学的思考は有用性の面でも注目を集めています。フランスの小学校における「絵本を用いた子どもの哲学実践」は、特に、「問いを立てる(問題化)」、「言葉の意味を考える(概念化)」、「自分の意見を述べる(論証)」といった段階が求められる点において、この哲学的思考方法と共通するものが多くあります。
この授業を通じて、他の人の意見を聞き、思考し、自分の意見を述べて議論する力も、同時に伸ばしましょう。
授業概要
/Course description
 授業では、1つのテーマに対し2回の授業を行います。受講人数にもよりますが、基本的に以下のように進めます。
【1回目の授業】
① キーとなる絵本作品を全体に読み聞かせる。
② 講師が準備した内容理解のための質問について、小グループで意見交換を行いながら考える。
③ 作品の読解についてクラス全体で意見交換する。
【1回目授業後の課題】
 読解を深めた絵本作品に対して「気になった点」をオンラインで提出する。講師はそれらを元に、2回目の授業で扱う「哲学的問い」の候補を作成する。
【2回目の授業】
① 他の学生の「気になった点」を共有した後に、今回の対話で扱う問いを学生の投票で決める。
② 小グループに分かれ、講師が準備した解釈的議論と省察的議論が表裏一体となった議論を喚起する質問について考えつつ、問いについて意見交換をする。
③ 問いについてクラス全体で意見を交換する。
【2回目授業後の課題】
 他者の意見を聞いた上で、自分が問いについてどう考えたか、結論だけでなく考えた過程や考えが深まった部分などを含め、オンラインで提出する。

 一般的な哲学対話に比べ、問いを深めていく際に、目の前にある具体的な絵本作品の具体的な箇所について話をしながら進めていくため、「意見が思いつかない」ということが少なく、より地に足のついた議論ができる可能性が高い点にこの手法の特徴があります。また、特に意見交換や発表の際には、他の人の意見や発表機会を十分に尊重するように留意しましょう。
 なお、児童文学・フランスBという授業なのでフランスの絵本を用いますが、本質的にはフランス絵本である必要はなく、フランスの絵本が他の国の絵本に比べ特別哲学的であるということではありません。

なお、今年度は「感情」を学期全体のテーマとして位置付け、様々な感情について深く考察しながら、自分と他者、さらには世界との関係性について考えを深めたい。
授業計画(授業の形式、スケジュール等)
/Class schedule
第1回:イントロダクション(「子どもの哲学」とはなにか?/対話の基本的姿勢)
第2回:嬉しさ(1)——作品を読みながら論点を決める。
第3回:嬉しさ(2)——作品を読みながら議論を深める。
第4回:恐怖(1)——作品を読みながら論点を決める。
第5回:恐怖(2)——作品を読みながら議論を深める。
第6回:怒り(1)——作品を読みながら論点を決める。
第7回:怒り(2)——作品を読みながら議論を深める。
第8回:中間のまとめ
第9回:嫉妬(1)——作品を読みながら論点を決める。
第10回:嫉妬(2)——作品を読みながら議論を深める。
第11回:共感と対話(1)——作品を読みながら論点を決める。
第12回:共感と対話(2)——作品を読みながら議論を深める。
第13回:学生の希望するテーマ(1)——作品を読みながら論点を決める。
第14回:学生の希望するテーマ(2)——作品を読みながら議論を深める。
第15回:学期のまとめ
準備学習・履修上の注意
/Notices
・準備学習は特に求めません。各授業の後、話し合った内容を振り返りながら自分なりに考えを深めて、求められた課題にアウトプットしましょう。
・授業の性質上、毎回の授業を受け身的に参加するのではなく、自分自身の頭で考え、積極的に参加する姿勢が求められます。この授業を作るのは学生のみなさん1人1人なので、そのつもりで受講してください。
・ただし、成績評価でも述べる通り、「発言回数=積極的な参加」というわけではなく、テーマや問いについて、自分の中で深く思索することも「積極的な参加」の一形態だと考えていますので、人前で発言することが苦手な人が受講できないということでは決してありません。
・授業外学修時間は4時間を想定しています。
教科書・参考書等
/Textbooks
【教科書】
適宜指示
【参考書】
・リップマン『探求の共同体——考えるための教室』玉川大学出版部、2014年。
・河野哲也『じぶんで考えじぶんで話せるこどもを育てる哲学レッスン 増補版』河出書房新社、2021年。
・アーダコーダ『こども哲学ハンドブック 自由に考え、自由に話す場のつくり方』アルパカ、2019年。
・同『こどもたちが考え、話し合うための絵本ガイドブック』アルパカ、2023年。
・坂本尚志『バカロレアの哲学——「思考の型」で自ら考え、書く』日本実業出版社、2022年。
・平山美希『「自分の意見」ってどうつくるの?哲学講師が教える超ロジカル思考術』WAVE出版、2023年。
・ブルニフィエ『知るって、なに? 新版』朝日出版社、2020年。(など)
・NHK Eテレ「Q-こどものための哲学」制作班『べんりってほんとうにいいこと?』ほるぷ出版、2018年。(など)
成績評価の方法
/Evaluation
【評価方法】
①授業参加度:60%
②この授業についての考えをまとめたレポート:中間10%、期末30%

【評価基準】
①授業に出席するだけでなく、グループや全体での議論に参加していることと、授業後の提出物の提出で点数になります。
 ただし、こういった授業での「授業参加度」というと「=発言回数」と誤解されやすいですが、(発言することももちろん重要な授業参加ではありますが)他の人の意見をちゃんと聞くことや自分の中で考えを深めることも重要な授業参加です。こういった「授業(議論)に参加する姿勢」を総合的に評価します。
②学期の中間と最後で、授業の進め方や特に気になったテーマについて、考えをまとめたレポートを提出してもらい、その内容を総合的に評価します。

【課題(試験やレポート)に対するフィードバックの方法】
授業の中やmanabaでフィードバックを行います。
備考
/Notes
【討議(ディスカッション、ディベート)を取り入れている】
【グループワークを取り入れている】
【発表(プレゼンテーション)を取り入れている】
【フィールドワーク、実習、実験、実技を取り入れている】

科目と卒業/修了認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)の対応一覧
/Diploma Policy
https://www.shirayuri.ac.jp/campus/enrollment/diplomapolicy/

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